あらゆることの極意
特技はなんですか。
ある小説の主人公はこの問いに対し「縦列駐車」と答えていました。自虐的だけどユーモアのあるキャラクターによく似合う回答だな、と記憶に残っています。
さて、同じ質問に私が答えるとしたらどうしよ。どうしよ、といいつつ、答えは一択なんですが。それは食事の支度が速いこと。15分あれば一汁二菜を用意できる。密かにファストフードの達人を自負してます。
その話をすると、知り合いの働く女性たちから速さの秘訣を尋ねられるのですが、残念ながらそんなものはありません。強いていえば、下ごしらえをまとめて済ませておくことかな…。根菜を一度に多めに蒸しといて、都度下調理する手間を省くとかね。あとは時間がある時にお肉をタレにつけて冷凍しとくとか。定番だね。
そうはいっても、達人の立場から一つだけ、極意をお伝えしたいと思います。それはあまり力を入れて献立を考えないことです。
「私ごはん作りに時間がかかっちゃって」っていう人の話を聞くと、だいたいメニューが唐揚だったりハンバーグだったりします。そりゃ大変だ。時間がかかるはずだ。
私はそんな手のかかるものは休日暇な時にしか作りません。平日は肉か魚焼いてりゃいいわ。力抜きまくり。
いや、しかしこれこそが極意なのです。ほら、バッティングでも「力まず自然なスイングを心掛けて」とかいうじゃない。
だから抜かなきゃ。手を。
(あれ!?)