大きな森の小さな政府

決めた今月は毎日ブログを書きます。何でもいいから達成感を味わいたい。休暇はだれないようにするのが難しい。

 

数日前、朝日新聞で『大草原の小さな家』シリーズについての記事を読みました。著者はローラ・I・ワイルダーですが、どうやら娘でジャーナリストだったローズ・ワイルダーがかなり原稿に手を加えてたらしい、なんて面白い研究成果が紹介されてました。

 

その中で特に興味深かった箇所を書きとめときます。このシリーズといえば、政府に頼らず自分の力で新しい土地を切り拓く開拓民の生活が詳細に記録されているのが特色ですが、それゆえに大きな政府を嫌うアメリカの経済保守派のバイブルになっているそうな。

 

どうもワイルダー母娘たち自身も政府にいい印象を抱いてなかったようで、作中には政府から受けた恩恵についての記述が少ないそう。たとえば、ローラの姉で視覚障害のあるメアリーが大学進学するにあたり、家族でなんとか学費を工面する場面。「家族の力で大学に行けた…よかったねメアリー」と、ほろりとする箇所なのですが、実はどうも国から奨学金が出てたらしいです。しかしそこら辺の事情はさくっと削って、あたかも完全に自力で大学進学を可能にした、という書き方になっています。

 

そういやローラのお父さんもしょっちゅう政府のこと悪く言ってたな。特に税金を憎んでた。「この世で確実なのは死と税金の徴収だけ」ってセリフを繰り返し言ってた記憶があります。そっか、お父さん小さな政府派だったんだね。

 

子どもの頃大好きだった本を、こうして客観的に分析するのはけっこう楽しいです。それで作品の評価が損なわれるわけではないしね。まぁ保守派のバイブルと思うと一瞬ひるむけどさ。