分別と多感

四月からBSで再放送されている「赤毛のアン」のアニメをみています。

 

観るたびに、やっぱりアンシリーズは最高だなと思うのですが、同時にアンの風変わりさに驚愕もしています。アンってむかし、ガラスに映る自分の姿にケティ・モーリスって名前をつけてたんだってさ。それで自分の像に話しかけてたらしいよ。自他の区別がちゃんとついてないみたいだけど大丈夫かな…。かつては感受性の強いアンかっこいいと思ったのですが、大人になって咀嚼しなおすと、その危なっかしさにハラハラしどおしです。

 

その点さすがマリラはえらい。「いい加減空想と現実の区別をきちんとつけろ」と叱ってくれます。一見現実的でつまらない言葉だけど、アンがこの世で生き延びていくためにはとても重要な助言です。自分の感情と感性にひっぱられ混乱する人間に、自身をコントロールする術を教えてくれてる。アンの弱点をすぐに見抜いてるところは教育者の素質ありだね。

 

もしあの家庭がアンと、優しくて放任主義のマシュウだけで成立していたらその後のアンはどうなっていたでしょうか。マリラなくしてアンの社会生活はなし、です。マリラには助演女優賞を授与したいと思います。