ひまわりの色、太陽の色

最近十代の女の子たち数人と、ディズニープリンセスたちについて語り合う機会があったのです。好きなプリンセスを挙げてもらうと、ベルとか白雪姫とか王道の名前がでてきました。

 

ふと思いついて「そういやポカホンタスとかムーランとか、黄色人種のプリンセスもいるよね」と言ってみたら、「そんなのダメ」と反発をくらいました。「やっぱりプリンセスは白人でなきゃ。白人が一番きれいだから」というのがその理由でした。

 

21世紀にもなってなんという発言、と驚いてしまいました。しかし一方で、誰が彼女らを責められようかと思います。いまだに国産高級車のCMに、日本人ではなく白人モデルが起用される世の中です。私だって、中学生のころ「なぜ私はウィノナ・ライダーみたいな容姿ではないのだろう…」と世を儚んだ経験があります。なんでって、そりゃそもそも人種が違うからだよ。

 

しかし、十代という最も顔の美醜に敏感な時期に、白人至上主義の価値観を持っているというのはなかなかしんどいものかもしれません。だって、黄色人種である自分の容姿が受け入れられなくなるもの。白人と違って彫りが浅いよなーとか、脚が短いよなー、とか、「白人と違って自分に欠けているもの」に目がいってしまいがちになるからです。白人的な美の基準で評価される、そんなレースに日本人が参加して勝者になれるわけがない。

 

大人になった今では、美というのはとても多様なものだということが分かってきつつあります。インド人女性の美しさ、アフガニスタン人女性の美しさ、ネイティブアメリカンの女性の美しさ。留学したときに一緒に暮らしたナミビア人女性の目の美しさはちょっと忘れがたい。

 

そしていつか、私が気まぐれを起こして子どもを産んだときには、自分の娘に「黄色人種もけっこういけてるな」と思って欲しいのです。私たちには私たちの美しさがある、と。かつてBlack is beautifulというスローガンが世界に響き渡りました。黄色いことだって、やはり同じように美しい。