巷の名医、そしてかわいそうな我々の歯

近所の歯医者さんは名医だ。言っとくけど、以前親知らずを抜いたお医者さんとは別人だよ!!

 

うちの近所に、ふるいふるい建物で開業してる歯医者さんがあります。引っ越してきてしばらくはその歯医者さん、とっくに廃業してるのだと思ってたくらいです。だってあんなに古い病院みたことないもの。

 

しかしね、ある日近所の知人にいい歯医者さんを紹介してください、とお願いしたらそこの医院の名前を挙げられたのです。えええええ!あそこ現役なの!?と驚いたら、ここ界隈では腕の良い歯医者さんとして有名なんだよ、とたしなめられました。ほんとですか、物知らずでした…。

 

すいませんと心の中で詫びながら診察をお願いしたのですが、これが確かに名医。絶対ムダに削ったりしない。自前の歯をむやみに削るのはもったいない、と言ってなんとか削らないで済む方法を考えてくれます。そしていつも歯磨き指導に何より時間を掛けてくれる、これがすごいとこ。全然お金にならないのにな。なぜこの歯を大事にしなければならないのか、図を描いて一本一本の歯の役割に言及しながら、時に人間の骨格の仕組みにまで話を飛ばしながら、納得できるように教えてくれます。あなたは八重歯があるから、こういう点に気をつけてください、とかパーソナルな助言ももらえます。

 

先生はおじいちゃんです。穏やかな口調で、面白い知識を分け与えてくれます。今日はサメの歯の標本を見せながら、あいつらの歯がいかにしてすぐ生え変わるのか、その仕組みを解説してくれました。サメの歯触っちゃった。とんでもなくギザギザしてたよ。

 

以前別の病院で抜いた親知らず(私が狂人になりかけたあれ)のあとが痛むので久々に行ったのですが、それは抜歯の後遺症みたいなものでもうどうしようもないんだって。しょんぼり…。なんでこんな目に…と落ち込んでたら、「でも場合によってはもっと大変な後遺症が残ったかもしれないよ」と深刻な実例を挙げて諭されました。確かにな、それ聞いたら私くらいでガタガタ言ってはいけないと思った。親知らずの抜歯はけっこう命がけね。どうりで同意書にサインするよう言われたわけだわ。

 

親知らずといえば、もう一本怪しいやつがいて、そいつが虫歯になったらまた抜歯かもよ、と可能性を示唆されました。まじで!!!!!!!!!!!!!!あってはいけないことが!!!!!!!!!!!!私、必ずこの一本を守り抜いてみせる。守るべきものがとうとう見つかったわ。先生にそいつを集中的に磨く方法を習ってきました。

 

前に書いたエントリを思い出して欲しいのですが、うまく行かなかったときの抜歯の痛みはまさに激烈、筆舌に尽くしがたいものがあります。狂気一歩手前まで連れて行かれました。もう二度と経験しなくてすむよう、いま一度歯のメンテナンスの重要性について考えてみよう。いつも以上に歯の手入れに力をいれて、二度と抜歯しないで済むよう努力しよう。ほんと抜歯だけはいかん!!!

 

人類は歯を大事にしなければならない。それは身をもって学んだ宇宙の真理です。動かしがたい事実です。だって我々の歯は残念ながらサメと違ってそうそう生え変わりませんから。あいつら歯に関してはすすんでるー。