大事なことは全てグラウンドで教わった(立ったことはない)①

そろそろニュースで野球の話題が増えてきました。春の足音ってやつはキャンプのノックの音に違いない。

 

かつて身体の重要性を軽視しスポーツなんてーそれより文化的教養でしょーと完全に誤った認識を持っていた私ですが、最近は違います。尊敬するひとは?って聞かれたらアスリートたちの名前を挙げます。とくにここしばらく観てる野球。私はここからたくさんのことを勉強中です。

 

野球を観始めてよかったなと思うことのひとつは「四球を出してもあわてないこと」を学んだ点です。「一点とられてもあわてないこと」って言ってもいい。

 

ピッチャーたちを見てて知りました。世の中にはフォアボールを出した時にイライラしてしまうひとと、「ま、こんなもんでしょ」とばかりに落ち着いてるひとがいることを。

 

前者はすごく完璧主義なのかなと思います。勝手に心理を想像してみるにこんな感じかな。「今日は一軍に復帰して久しぶりの登板だから絶対いいピッチングをしようと思ったのに、1回から四球を出してしまうなんて。絶対監督も怒ってるよ。ベンチみたらポケットから黒いメモ帳だしてなんか書いてたもん。どうしよう査定に響くかな。秋には子どもも生まれるのに…」(ちなみに硬球を触ったことすらない人間の空想です)

 

後者は表情にも動作にも余裕があってすごいなーといつも感嘆します。「ま、フォアぐらいだすよな。別に完全試合狙ってねーし」みたいな。「それより次だわ。次の打者抑えたらこの回終わりだし」って気持ち切り替えてんだろうな。そういう人はきっと、たとえ一点とられても崩れない。感情に流されないことを知ってるもん。

 

よくエースがヒーローインタビューで言ってます。「序盤調子が悪くて点をとられちゃったんですが、我慢して投げ続けたらきっと野手の皆さんが取り返してくれると信じてました」って。(私が応援してるカープのようになかなか取り返せないときもあるのでそう簡単にはいかないのでしょうが)慌ててコントロールが甘くなってホームランでも打たれたら勝率はぐっと下がってしまいます。それよりは自分の気持ちにのまれないよう耐えて最小失点に抑えた方がいいに決まってる。とくに先発は防御率0.00なんてありえないんだから。

 

だから野球を観るときはピッチャーがミスしたあとにどう対処するかを一生懸命観察します。エース様がさすがのメンタルで苦境を乗り越えるのをみると惚れ惚れする。よーしついにユニフォーム買っちゃおうかな!って思う。そして、今までイライラする派だった若手が、今回は落ち着いて乗り切った!ってときはちょっと泣きそうになります。よーしこっちもユニフォーム買っちゃおうかな!って。

 

ちなみに、今の私がピッチャーだったら初球ボール判定ってだけでグローブをマウンドに叩きつけ泣き出すと思う。エースの道はちょっと遠い。