まずは誰の言葉であっても

The Little Coffee Shop of Kabul


 


いまね、これ読んでるとこ。アフガニスタンの首都カブールというおそらく世界で一番危険な場所にあるカフェと、そこに集まってくる5人の女性の物語です。

 


フィクションなんでね、だいぶ現実とは乖離してまろやかな話になってると思うのですが、それでもしょっぱなから女性が人身売買のために連れ去られたり、カフェの店主が自爆テロから店を守るために苦悩したりと、平和ぼけした私の頭をどつきたおすようなエピソードに出くわします。

 


この本、ブルカの下に押し込められた女性たちの本音を描こうと努力していて、その試み自体は面白く読んでいます。しかしその描写がどれくらい正当なものかは分かりません。というのも著者はアメリカ人女性で、言ってみればこれは代理人の口を通して語られるアフガニスタンの物語なのです。可能であればパキスタンのマララ・ユサフザイの著作のように、当事者の言葉で綴られた本を読むことができれば一番いいのですが。

 


しかしアフガニスタン国内の状況と女性の識字率を考えると、まだまだそれが達成されるまでの道のりは険しく時間がかかります。それならば代理人の目を通したアフガニスタンの姿をまずは見てみようと思います。いつか現代アフガニスタン女性の手による小説を読めることを願いつつ。

 

 

 

 


しかし英語にまじるアフガニスタンの言語(ダリー語だっけな)の単語が分からなくてちょっと涙目です。手持ちの辞書に載ってないよ。