幻惑のショータイム

この週末は久しぶりにのんびりして、命の洗濯ってやつをしました。きちんと休むと、週と週の区切りがはっきりついていいです。ピリオドがちゃんと打たれる感じ。そしてピリオドは新たな始まりを呼び込みます。つまり、明日からまた一週間がんばろーという気持ちになれるってことです。

 

 

楽しい休日といえば映画が定番ですが、昨日これを観に行きました。

 

f:id:toadinthehole:20140622212200j:plain

 

いやー私はよく知らないんだけど、ものすごく人気のある監督の最新作らしいね。センスのよさで定評のある人らしくて、お洒落なファッション誌で特集されてたわ。映画館のお客さんも美大生風の若くて趣味のよさそうなお兄さんお姉さんがいっぱい。

 

しかし確かにすごい映画でした。とにかく個性が強い。あくが強い。同じ監督の『ダージリン急行』という旧作をちらりと観たことがあるのですが、何の情報を知らなくても同じ監督の映画だと分かったことでしょう。私、こんなテンポと雰囲気の映画他に知らないやー。色彩はちょっと『シェルブールの雨傘』を思い起こさせると思ったけど、こっちの方がどぎついな。でも、どぎついながらも絶対悪趣味にならないところで抑えてる。そこがセンスがいいって言われるゆえんなんだろうな。

 

同じことが随所にいえます。劇中、長い長い梯子が出てきて物語にユーモアを添えるのですが、その長さがちょうどいい。「なんだかちょっと長くない?」ってクスリと笑わせるくらいには長いんだけど、けっしてドタバタコメディ映画でありがちなほどには長すぎない。どこまでやると過剰で下品になるか、そのラインを熟知してて、そこで鮮やかに引き返してみせる感じです。

 

普通映画の感想を語るとき物語の感想を喋りたくなりますが、この映画に関しては全然そんな気になりません。物語はぜんぜん重要じゃない。ストーリーではなく、監督のセンスと手腕を楽しむための映画です。私はマジックショーでも観に行ったかのような気持ちになりました。ショーだね、ほんと。

 

でも個性が強すぎて、観ててとてつもなく疲れる映画でもありました。5分ごとくらいに目を閉じて休憩してたわ。けっこう見逃してる。キャスト紹介みたらビル・マーレイが出てるみたいなんですが、まったく記憶にありません。私が目を閉じてる間に出てたの?ほんとに出てた?