モテ願望とマンデラへの忠誠心との狭間で

「そのままの自分でもてたいなんて甘い」

 
ある女児向け漫画雑誌のモテ特集に記されてたという文言です。
 
いやーその通り。あるがままの自分でもてたいなんて虫がよすぎる。これは真実。一般受けするためには一般からはみ出た自分を隠さなければなりません。ワンちゃん映画が嫌いな自分も、Caitlin Moranの信奉者であることも、支持政党も隠しておかなければなりません。振る舞いも服装も大人の女性にふさわしいものであるべきです。
 
でもさ、自分らしくあるのをやめたり隠したりするって難しいよね。私も試みた時期があるけどさ。まず服装ね。パステルカラーのツインニットにスカートという一般受けしか考えてない格好をしたこともある。しかしそれから数年経って言われました。「正直言ってあの頃の服装全然似合ってなかったよ」「顔が濃いからパステルはやめときな」て。それ、早く言ってくれるかな。
 
中身にしても然りです。特に就職したてのころ、一般受けを狙って大人しいふりをしていました。男性の話を聞いて「すごいですね」を必死で連発したこともあります。だんだんめんどくさくなって「すごいっすねー」に変わっていきましたが。しかし心の中では虚しいものがありました。ついつい、「ネルソン・マンデラの人類愛に比べたらすごくねーな」と考えてしまうからです。マンデラ基準、あるいはキング牧師基準です。私は飼い主を選ぶタイプの犬だから、みんなに尻尾はふれないよ。そんなことしたら病んでしまう。ハチ公が病気になったように。
 
そういうわけで、私なりの結論としてはこうです。自分を殺してもてようなんて甘かった。意外としぶといから死んでくれない。
 
それならありのままの自分と二人三脚で楽しくやってく方がいいなーと思います。今は配偶者がいる状態ですが人生何が起こるか分かりません。また一人きりになる可能性だって排除できません(今のとこ何もないですが)。でも、どんな状況でも自分らしくありたいと思うのです。本来の自分と観察自我(?)の自分との間にあまり齟齬がないようにしたい。そして二人してネルソン・マンデラの偉大さに打たれていたいのです。マンデラは本当にすごいやつ。